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尋常性白斑

尋常性白斑とは

白斑皮膚の色素が失われ、白い斑点や斑状の脱色を引き起こす慢性的な皮膚疾患です。この病気は、メラノサイトと呼ばれる色素を生成する細胞が破壊されることによって発生します。
身体のどの部位にも発生する可能性がありますが、特に顔、手に多く見られるので、外見的な変化から心理的ストレスなどの生活の質(QOL)に影響を与えます。

尋常性白斑の原因

尋常性白斑の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、以下のような要因が関与していると考えられています。

  1. 自己免疫反応:体の免疫系が誤ってメラノサイトを攻撃し破壊することで、色素が失われます。白斑の患者さんは自己免疫性の甲状腺疾患(特に橋本病やバセドウ病)を併発している可能性があり、両者に共通する自己免疫的な原因が考えられています。
  2. 遺伝的要因:家族歴がある場合、発症リスクが高まることがあります。
  3. 環境要因:外傷、日焼け、化学物質への曝露などが発症の引き金になることがあります

尋常性白斑は自然に治るか?

尋常性白斑は自然に治ることは非常に稀です。多くの患者さんにおいて、白斑は時間とともに拡大することがあります。ただし、進行が遅い場合や一時的に症状が落ち着くこともあります。早期発見と治療が進行を遅らせたり、色素の再生を助ける可能性があります。

尋常性白斑の治療方法

治療にはいくつかの方法がありますが、長期に渡ることが多いため根気よく通院し治療していく必要があります。

外用薬

ステロイドや免疫抑制剤を含むクリームや軟膏が使用され、色素再生を促進します。

エキシマライト

紫外線B(UVB)の波長帯のエキシマライトを使用して、色素再生を促す治療法です。治療回数と通院頻度が必要となりますが、有効な治療法です。当院で照射可能です。

手術

移植手術により正常な皮膚からメラノサイトを移植する方法があります。手術の必要がある場合は対応可能な医療機関へご紹介いたします。

モフラージュ

対症療法となりますが、化粧品を使用して、白斑を隠す方法もあります。これによりQOLの改善が期待できます。

メロングリソディン

カンタループメロンから抽出された抗酸化酵素であるスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)を含むサプリメントです。抗酸化作用を持ち、細胞の酸化ストレスを軽減する作用があります。数名の白斑患者さんに紫外線療法を併用して白斑が改善した論文報告があります。当院ではメロングリソディンを取り扱っております。

よくある質問(Q&A)

白斑ができやすい人はどんな人ですか?

白斑は自己免疫性の甲状腺疾患との関連が知られております。また家族歴がある場合や、外傷、日焼け、化学物質への曝露なども原因として考えられています。

ストレスで白斑は悪化しますか?

白斑は自己免疫の異常が原因として考えられています。慢性的なストレスは、免疫反応を変化させ、自己免疫疾患のリスクを増加させる可能性が考えられます。

白斑の原因に食事は関係していますか?

規則正しい食生活を送ることは重要な事ですが、直接的に影響を与える食べ物はありません。

尋常性白斑になると白髪になりますか?

白斑が毛髪部位の皮膚に生じた際は、その部位の毛は白色となります。

尋常性白斑でやってはいけないことはありますか?

日焼けをするのは避けたほうが良いでしょう。医療機関で行う紫外線療法は管理された適切な紫外線の波長と出力で調整されますが、自然の日光曝露は制御が難しく、過度な曝露によるリスクが高いため、注意が必要です。また正常の皮膚が日に焼けると白斑部位とのコントラストでより目立ってしまいます。

白斑ができやすい場所はどこですか?

通常は顔や手に出現することが多いのですが、皮膚であればどこにでも生じえます。またまれではありますがメラニンがある目に症状がでる場合もあります。