エキシマレーザー(エキシマライト)光線療法とは
エキシマレーザー光線療法は、308nmの波長を持つ特殊な紫外線を使用して、皮膚疾患の治療を行う方法です。特に、白斑や乾癬、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症などの症状に対して効果的と報告されております。レーザーは患部に高精度で照射され、正常な皮膚には影響を与えずに治療が可能です。従来の治療法と比べ、副作用が少なく、短期間での改善が期待できます。また、定期的な照射が必要であり、患者の症状や反応に応じて治療計画が立てられます。
当院が採用する「エキシマ紫外線療法」とは
エキシマ紫外線療法は、難治性の皮膚疾患、特にアトピー性皮膚炎、乾癬、白斑、掌蹠膿疱症、円形脱毛症などに対して保険適用で行われる治療です。308nmの紫外線を患部にポイント照射することで、炎症を抑え症状の改善を図ります。
当院では、ウシオ電機製の最新エキシマ治療器「セラビームUV308LED」を導入しています。従来のエキシマ機器はランプ光源が主流でしたが、この機器は最新の技術によりLED光源を搭載する事に成功し、かつ高出力で安定した照射が可能です。
そのため、従来機器よりも照射時間が約1/4に短縮され、一部位あたり1~5秒の照射で効果が得られます。痛みはなく、わずかに温かさを感じる程度で、安心して治療を受けられます。また、LED化により消費電力を約70%削減し、光源の寿命も従来機器の約4〜5倍に延長され、省エネとサスティナブルな観点からも当院で採用しています。
適応疾患
エキシマ紫外線治療が有効とされる皮膚疾患は以下の通りです。
尋常性白斑
自己免疫が原因で色素細胞が攻撃されることによって生じる疾患です。エキシマ治療は色素再生を促進する効果が期待でき、治療回数は必要ですが、有望な治療法の一つです。
治療経過において、白斑以外の正常な皮膚にも多少なりともエキシマが照射されるため、コントラストがついて、白斑の白さが鮮明に見える場合がございますが治療効果に問題はありません。また、治療後に白斑部分が赤くなることがありますが、これは効果が期待できるサインです。
乾癬(かんせん)
異常な細胞増殖が原因で紅斑や鱗屑が生じる疾患で、エキシマ治療により細胞増殖を抑制し、症状を和らげる効果が期待できます。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
手足に膿疱ができる疾患で、エキシマ治療により炎症が軽減され、症状の進行を抑えることが期待できます。
保険適用
エキシマ紫外線治療は、上記の疾患に対して保険適用が可能で、治療費用を軽減することができます。ただし、エキシマ照射はピンポイントの治療であるため、広範囲にわたる場合は適応が難しい場合があります。治療が可能かどうかは、受診時に医師と相談の上で決定します。
治療の流れ
一部位あたりの照射時間はわずか1秒~5秒程度で、通常は1週間に1~2回の頻度で行います。症状や範囲に応じて、照射時間や回数は調整されます。多くの場合、数回の治療で効果を実感できますが、完治には数ヶ月を要することがあります。
副作用および注意点
赤みやヒリヒリ感
照射後に軽い赤みやヒリヒリ感、ごくまれに水疱が現れることがあります。通常は一時的であり、抗炎症薬の外用や治療間隔の調整で対処可能です。
色素沈着
皮疹部位以外の正常の皮膚にも多少なりともエキシマが照射されますので、周囲の皮膚に色素沈着が見られることがあります。また、皮疹部位に強く照射を行った場合は同部位にも色素沈着を伴う場合もあります。抗炎症薬の外用や治療間隔の調整を行います。
皮膚がんのリスク
皮膚がんの発生リスクは非常に低いとされていますが、長期間頻繁に治療を行う場合には、定期的なチェックや医師との相談が重要です。
よくある質問(Q&A)
エキシマレーザー・ライトは安全ですか?
エキシマレーザー・ライト治療は、特定の波長(308nm)の紫外線を患部にのみ照射するため、周囲の皮膚への影響が少なく、ピンポイントでの治療が可能です。照射時間も短いため、痛みはなく、わずかに温かさを感じる程度で、副作用のリスクも低いです。 また、当院で採用している最新の「セラビームUV308LED」は、LED光源により安定した出力と精度を備えており、さらに安全性が高まっています。
エキシマレーザー・ライトで赤くなったら治りますか?
はい、エキシマレーザー・ライト照射後に一時的に赤くなることがありますが、通常は数時間から数日で治まります。赤みが気になる場合は、担当医にご相談ください。
エキシマレーザー・ライトには発がん性がありますか?
エキシマレーザー・ライトの使用において発がん性のリスクは低いとされています。特定の波長で短時間のみ患部に照射するため、皮膚への負担も少なく、医療機関での適切な管理下で安全に行われます。
エキシマレーザー・ライトの治療の回数制限はありますか?
回数制限は通常ありませんが、治療効果や皮膚の状態に合わせて、医師が適切な回数や頻度を判断します。
エキシマレーザー・ライトの適正治療間隔を教えてください。
治療間隔は疾患や患者様の皮膚状態により異なりますが、一般的には1~2週間に1回のペースが推奨されます。医師の指示に従って治療を継続することが大切です。
エキシマレーザー・ライトは保険適応で1回いくらくらいですか?
実際の負担額は保険の種類や自己負担割合により異なりますが、3割負担の場合、施術の費用は1回あたり1000円程度です。
エキシマレーザー・ライトの治療効果は何回くらいで得られますか?
効果が現れるまでの回数は、疾患の種類や個人差によります。アトピー性皮膚炎などの湿疹やかゆみには比較的少ない回数で効果を感じることが多いですが、円形脱毛症や白斑のような疾患には、数十回の治療が必要となる場合があります。